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Raspberry Pi 2 を使った格安シンクライアントの製作
USBリダイレクトの設定



    ここでは、Raspberry Pi 2のUSBポートにUSBメモリを接続した際に、自動的にリモートデスクトップPCにその中身が表示され、ファイルの参照や保存ができる、USBリダイレクトを機能させる方法を紹介します。もちろん日本語のファイルも取り扱えます。

    まずは、Raspberry Pi 2 の電源を入れて、RPi-TC2を起動します。

    デフォルト文字コードの変更

  1. RPi-TC2」を起動すると、まず以下のデスクトップ画面が表示されます。
    まず、ここまでの手順で日本語の設定が行われているはずですが、日本語のファイル名を取り扱うために、デフォルトの文字コードを「C.UTF-8」に変更します。

    デスクトップを右クリックし「RPi-TC Config」メニューから「Configure local language」を選択します。


    以下の通り「ja-JP.UTF-8 UTF-8」を選択して「OK」を選択します。


    ここで、デフォルトの文字コードを問われますので、「C.UTF-8」を選択し、「OK」を選択します。なおここれにより、RPi-TC2のデスクトップの一部のアイコンが従来のものでなくなりますが、シンクラとしては利用する場合は関係ありませんの、気にせず変更しましょう。



    usbmountの日本語の設定

  2. usbmountの設定を変更するため、ターミナルを起動します。

    ここで、ターミナルを起動するのですが、ターミナルはデスクトップの右端に隠れています。
    以下の通り、デスクトップの右端にマウスカーソルを持っていくと、メニューが表示されますので、そこから「Xfce Terminal」を選択してください。
    通常は以下の画面ですが、上記デフォルトの文字コードを「C.UTF-8」に変更して、再起動後は・・

    以下のようにアイコンが従来のものでなくなります。ただ、シンクラ利用には関係ないので気にせず行きましょう。

  3. ターミナルが起動できれば、usbmount.confをバックアップします。
    「LXTerminal」から、以下を入力します。
    $ sudo cp -ip /etc/usbmount/usbmount.conf \
    /etc/usbmount/usbmount.conf.org
    

  4. usbmount.confを編集します。
    「LXTerminal」から、以下を入力します。
    $ sudo nano /etc/usbmount/usbmount.conf
    

  5. usbmount.confのマウント時の文字コードのオプションを書き換えて保存します。
    以下のように赤文字の部分を追記します。
    FS_MOUNTOPTIONS="-fstype=vfat,gid=floppy,umask=002,sync \                  -fstype=ntfs,gid=floppy,umask=002,sync \
                     -fstype=ext2,gid=floppy,umask=002,sync \
                     -fstype=ext3,gid=floppy,umask=002,sync \
                     -fstype=ext4,gid=floppy,umask=002,sync"

    FS_MOUNTOPTIONS="-fstype=vfat,gid=floppy,umask=002,sync,codepage=932,utf8 \
                     -fstype=ntfs,gid=floppy,umask=002,sync,codepage=932,utf8 \
                     -fstype=ext2,gid=floppy,umask=002,sync \
                     -fstype=ext3,gid=floppy,umask=002,sync \
                     -fstype=ext4,gid=floppy,umask=002,sync"

    具体的には、以下のように画面推移します。
    まずファイルの中身が表示されます。

    下矢印キーで修正箇所まで移動します。


    修正を行います。そのまま入力すれば変更できます。


    修正ができれば、「CTRL」+「X」キーで、終了しますと、以下の通り保存するか聞かれます。


    「Y」キーを入力すると、以下の通り上書きするか聞かれるので、そのまま「ENTER」キーを入力し、上書き保存します。


    以上で、usbmount.confの編集は完了です。


    RDesktopのオプション変更

  6. さらにリモートデスクトップで接続する際のオプションを追加し、Raspberry Pi 2のUSBポートに接続したUSBメモリなどの記録メディアを、リモートデスクトップで利用できるようにします。
    デスクトップから、「RPi-TC Config」-「Edit RDesktop config」を指定して定義を変更します。


  7. rdesktop.config」ファイルの内容が、エディタで表示されますので、これまでのレシピでは、以下の通り入力されていると思われます。
    -g 1920x1080 -f -E -x l -z -P -r sound:local:alsa:default


    この意味は以下の通りでしたが、最後に/media/usb/をリモートデスクトップに表示する項目(赤文字部分)を付け加えます。
    設定内容 オプションと引数
    モニタの解像度1920 x 1080-g 1920x1080
    フルスクリーンモード有効-f
    自動ログインID自動ログインしない-u <なし>
    ログインパスワードなし-p <なし>
    ログイン後の暗号化無効-E
    ネットワークの帯域LAN-x l
    データの圧縮有効-z
    ビットマップキャッシュ有効-P
    音声のリダイレクト有効-r sound:local:alsa:default
    キーボード配列日本語-k ja
    USBディスクのリダイレクト有効-r disk:usb=/media/usb/

    以下の通り、rdesktop.configのオプションの行にUSBディスクのリダイレクト情報を追記します。
    -g 1920x1080 -f -E -x l -z -P -r sound:local:alsa:default -k ja

    ↓以下の通り変更し、赤文字の部分を追記し、保存します。
    -g 1920x1080 -f -E -x l -z -P -r sound:local:alsa:default -k ja -r disk:usb=/media/usb/
    ※「-E」オプションを付けた場合に接続できない場合は、外して試してください。


    設定終了

  8. rdesktop.config」を保存できれば、設定は完了です。
    エディタを終了し、以下の通りデスクトップの右クリックメニューから、「Log Out」-「Restart」を選択します。



    USBメモリなどの大容量記憶装置の利用

  9. システムが再起動すれば、自動接続設定を行っている場合、自動でリモートデスクトップでWindowsに接続しますので、Windowsにログインした後、以下のようにRaspberry Pi 2のUSBポートにUSBメモリなどの大容量記憶装置を接続してください。

    リモートデスクトップのWindowsのコンピュータに、以下の通りUSBフォルダがあります。

    これをクリックすると、Raspberry Pi 2のUSBポートに接続したUSBメモリの内容が表示され、読み書きできます。
    もちろん、以下の通り、日本語のファイルの読み書きも出来ます。

    ※日本語ファイル名が文字化けする場合は、このページのレシピでデフォルトの文字コードを「C.UTF-8」に変更した箇所を再度確認して試してください。