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Raspberry Pi 2 を使った格安シンクライアントの製作
デスクトップへの自動接続設定 Ver1.99編


ここで紹介する「RPi-TC2」のバージョンは1.99となります。
古いバージョン1.4の手順は「こちら」で紹介しております。


    ここでは、RPi-TC2を起動した際に、自動的にリモートデスクトップPCや、VMwareViewサーバに接続する設定方法を紹介します。

    まずは、Raspberry Pi 2 の電源を入れて、RPi-TC2を起動します。

    基本環境の設定

  1. RPi-TC2」を起動すると、まず以下のデスクトップ画面が表示されます。
    RPi-TC2」バージョン1.4にはなかった「RPiTC Builder」が、まずは起動しています。

    これは、「RPi-TC2」に、ソフトウェアやサービスを追加または削除するツールで、まずはこれを利用し、基本環境を整えるところから始めます。

  2. RPiTC Builder」で、RDesktopを追加します。まず、「RDP Packages」タブをクリックします。

  3. 次に、「RDesktop (Debian repo)」チェックボックスをクリックします。

  4. 次に、「Bash Me!」ボタンをクリックします。

  5. すると、以下の通り先ほど定義した内容が、bashスクリプトで表示されます。

  6. この状態で「Open Xterm」ボタンをクリックします。

  7. すると、以下の通りターミナル画面が開きます。

  8. ここで、「./bashme.sh」と入力し、スクリプトを実行すると、設定が始まります。

  9. スクリプトの実行が終わると、以下の通りコンソールが返ってきます。

  10. これで、基本設定が完了しましたので、再起動を行います。
    デスクトップ画面を右クリックして、以下の通りメニューを表示し、「Log Out」をクリックします。

  11. Log out rpitc」画面が表示されますので、以下の通り「Restart」ボタンをクリックし、「RPi-TC2」を一旦再起動します。

  12. 再起動すると、デスクトップの左のメニューに「RDesktop」のアイコンが表示されるようになりました。

    以上で、基本設定は終わりです。
    なお、このレシピではRDesktopを使った、シンクライアントを紹介していますので、以上の設定になりますが、「VMwareView」など、別のアプリケーションを使う場合は、上記の通り「RPiTC Builder」で有効にしてからご利用ください。


    日本語環境の設定

    続いて日本語環境を設定していきます。

  13. まずタイムゾーンを変更します。
    デスクトップを右クリックし「RPi-TC Config」メニューから「Configure Timezone」を選択します。


    以下の通り、「Asia」を選んで


    「Tokyo」を選んで、「OK」を選択し、設定画面を終了してください。

  14. 次にキーボードレイアウトを変更します。

    デスクトップを右クリックし「Settings」メニューから「Keybord」を選択します。


    以下の通り「Layout」タブを選択し、「Use system defauls」チェックボックスをOFFにします。


    「+Add」ボタンをクリックすると以下の画面が表示されますので、「Japanese」を選択し、その中の「Japanese(OADG 109A)」を選択して「OK」ボタンをクリックして、設定を完了します。


    以下の画面が表示されますので、「English(US)」を「Delete」ボタンで削除します。


    以下の画面のように、「Japanese(OADG 109A)」だけになった状態で、「Close」ボタンをクリックし、設定を完了してください。


  15. 次にロケールを日本語に設定します。

    デスクトップを右クリックし「RPi-TC Config」メニューから「Configure local language」を選択します。


    以下の通り「ja-JP.UTF-8 UTF-8」を選択して「OK」を選択します。


    最後にデフォルトの文字コードを問われますので、「C.UTF-8」を選択し、「OK」を選択します。なおここで「ja-JP.UTF-8 UTF-8」を選択すると、システムのほとんどのメニューが、日本語表示になりますが、デスクトップの表示だけ崩れるので、この選択にしています。なお、シンクラとしては日本語であろうが、英語であろうが、日本語のWindowsにリモートデスクトップで接続すれば画面は日本語で、日本語入力も出来ますので、どちらでも関係なく利用できます。
    ここは、好みに合わせて変更してください。


  16. 次にアップデートを行います。

    ここで、ターミナルを起動するのですが、ターミナルはデスクトップの右端に隠れています。
    以下の通り、デスクトップの右端にマウスカーソルを持っていくと、メニューが表示されますので、そこから「XTerm」を選択してください。


  17. 最新のパッケージ・リストを入手します。
    「LXTerminal」から、以下を入力します。
    $ sudo apt-get update
    
    

  18. 日本語フォントなどをインストールします。
    「LXTerminal」から、以下を入力します。
    $ sudo apt-get install ttf-hanazono
    

  19. オーディオ(音声出力)の設定を行います。
    デスクトップを右クリックし「RPi-TC Config」メニューから「Audio Output Device Selector」を選択します。


    以下の通り最初は「Auto」出力になっています。


    ピンジャックにスピーカをつなげている場合は「Jack」または「Auto」に設定して「OK」ボタンをクリックしてください。


    autostartの設定

  20. デスクトップの部分を右クリックして、以下の通り、メニューから「Settings」を選択し、自動起動するアプリケーションを指定する、「Session and Startup」を選択します。


  21. 以下の通り、「Session and Startup」の画面が表示されます。


  22. ここから、以下の通り「Application Autostart」タブを選択します。


  23. ここで、自動起動するアプリケーションを指定するのですが、今回の目的の「RDesktop」がないので、「+Add」ボタンで表示される、以下の画面でエントリを追加します。

    設定内容は、以下の通り入力してください。
    設定内容
    Name:RDesktop
    Description:RDesktop
    Command:/opt/scripts/autostart.sh /usr/share/applications/RDesktop.desktop

    入力できれば、「OK」ボタンをクリックして、「Application Autostart」タブ画面に戻りますので、先ほど作成した「RDesktop」のチェックを以下の通り入れてください。

    これで、今回使用するRDesktopプログラムが、自動起動するように設定出来ました。


    一旦「Close」ボタンをクリックし、「Session and Startup」の画面を終了してください。


  24. 続いて、RDesktopの起動オプションを設定しますので、デスクトップの部分を右クリックして、以下の通り、メニューから「RPi-TC Config」を選択し、「Edit RDesktop Server」を選択します。


  25. rdesktop.server」ファイルの内容が、以下の通りエディタで表示されます。
    ここで、起動時に自動的に接続したい接続先デスクトップのIPアドレスやホスト名を入力し、先頭の「#」を外し、保存します。


    接続先デスクトップがIPアドレス「192.168.1.200」のWindowsPCの場合の設定例

  26. RPi-TC2」を起動した際に、自動接続するネットワーク上のデスクトップが、以下のWindowsPCの場合
    設定内容 オプションと引数
    リモートデスクトップPCのIPアドレス192.168.1.200192.168.1.200
    以下の通り、rdesktop.serverのIPアドレスの行を編集します。
    #192.168.2.104

    ↓以下の通り変更し、保存します。
    192.168.1.200

  27. さらにリモートデスクトップで接続する際のオプションを、デスクトップの部分を右クリックして、表示されるメニューから「RPi-TC Config」-「Edit RDesktop config」を指定して定義します。


  28. rdesktop.config」ファイルの内容が、以下の通りエディタで表示されます。
    ここで、設定したいオプションを入力し、先頭の「#」を外し、保存します。


    接続先デスクトップがWindowsPCの場合の設定例

  29. RPi-TC2」を起動した際に、自動接続するネットワーク上のデスクトップが、以下のWindowsPCの場合
    設定内容 オプションと引数
    モニタの解像度1920 x 1080-g 1920x1080
    フルスクリーンモード有効-f
    自動ログインID自動ログインしない-u <なし>
    ログインパスワードなし-p <なし>
    ログイン後の暗号化無効-E
    ネットワークの帯域LAN-x l
    データの圧縮有効-z
    ビットマップキャッシュ有効-P
    音声のリダイレクト有効-r sound:local:alsa:default
    キーボード配列日本語-k ja
    以下の通り、rdesktop.configのオプションの行を編集します。
    #-g 1280x720 -r sound:local:alsa -x l

    ↓以下の通り変更し、保存します。
    -g 1920x1080 -f -E -x l -z -P -r sound:local:alsa:default -k ja
    ※「-E」オプションを付けた場合に接続できない場合は、外して試してください。
    ※「-d」オプションに続けてドメイン名を記述すると、ログオン画面に自動的に指定したドメイン名がセットされるようになります。これにより、RDPサーバに接続する場合などActiveDirectoryのドメイン名をログオン画面で指定する手間が省けます。


    設定確認

  30. rdesktop.server」と「rdesktop.config」を保存できれば、設定の確認を行います。
    エディタを終了し、以下の通りデスクトップの左にある「RDesktop」のアイコンをダブルクリックして、接続できるか確認してください。

    この動画では、RPi-TC2からWindows10に接続試験を行っています。


    設定終了

  31. 以上のように接続が確認できれば、設定は完了です。
    エディタを終了し、以下の通りデスクトップの右クリックメニューから、「Log Out」-「Shut Down」を選択します。



    電源切断

  32. 画面が真っ暗になれば、システムは終了し、Raspberry Pi 2も以下の待機状態になります。

    ここで電源を切ってください。


    以上で設定は完了です。

    次に電源を入れれば、設定したデスクトップに自動接続する、シンクライアントが利用できます