Linux活用レシピ > 会社で活用 > 「Raspberry Pi 2」で格安シンクライアント

Raspberry Pi 2 を使った格安シンクライアントの製作
デスクトップへの自動接続設定



    ここでは、RPi-TC2を起動した際に、自動的にリモートデスクトップPCや、VMwareViewサーバに接続する設定方法を紹介します。

    まずは、Raspberry Pi 2 の電源を入れて、RPi-TC2を起動します。

    日本語環境の設定

  1. RPi-TC2」を起動すると、まず以下のデスクトップ画面が表示されます。
    さすがに「RPi-TC」よりかっこよくなっています。

  2. まずタイムゾーンを変更します。
    デスクトップを右クリックし「RPi-TC Config」メニューから「Configure Timezone」を選択します。


    以下の通り、「Asia」を選んで


    「Tokyo」を選んで、「OK」を選択し、設定画面を終了してください。

  3. 次にキーボードレイアウトを変更します。

    デスクトップを右クリックし「Settings」メニューから「Keybord」を選択します。


    以下の通り「Layout」タブを選択し、「Use system defauls」チェックボックスをOFFにします。


    「+Add」ボタンをクリックすると以下の画面が表示されますので、「Japanese」を選択し、その中の「Japanese(OADG 109A)」を選択して「OK」ボタンをクリックして、設定を完了します。


    以下の画面が表示されますので、「English(US)」を「Delete」ボタンで削除します。


    以下の画面のように、「Japanese(OADG 109A)」だけになった状態で、「Close」ボタンをクリックし、設定を完了してください。


  4. 次にロケールを日本語に設定します。

    デスクトップを右クリックし「RPi-TC Config」メニューから「Configure local language」を選択します。


    以下の通り「ja-JP.UTF-8 UTF-8」を選択して「OK」を選択します。


    最後にデフォルトの文字コードを問われますので、「en_GB」を選択し、「OK」を選択します。なおここで「ja-JP.UTF-8 UTF-8」を選択すると、システムのほとんどのメニューが、日本語表示になりますが、デスクトップの表示だけ崩れるので、この選択にしています。なお、シンクラとしては日本語であろうが、英語であろうが、日本語のWindowsにリモートデスクトップで接続すれば画面は日本語で、日本語入力も出来ますので、どちらでも関係なく利用できます。
    ここは、好みに合わせて変更してください。


  5. 次にアップデートを行います。

    ここで、ターミナルを起動するのですが、ターミナルはデスクトップの右端に隠れています。
    以下の通り、デスクトップの右端にマウスカーソルを持っていくと、メニューが表示されますので、そこから「Xfce Terminal」を選択してください。


  6. 最新のパッケージ・リストを入手します。
    「LXTerminal」から、以下を入力します。
    $ sudo apt-get update
    
    

  7. 日本語フォントなどをインストールします。
    「LXTerminal」から、以下を入力します。
    $ sudo apt-get install ttf-kochi-gothic
    

  8. オーディオ(音声出力)の設定を行います。
    デスクトップを右クリックし「RPi-TC Config」メニューから「Audio Output Device Selector」を選択します。


    以下の通り最初は「HDMI」出力になっています。


    ピンジャックにスピーカをつなげている場合は「Jack」または「Auto」に変更して「OK」ボタンをクリックしてください。



    autostartの設定

  9. デスクトップの部分を右クリックして、以下の通り、メニューから「Settings」を選択し、自動起動するアプリケーションを指定する、「Session and Startup」を選択します。


  10. 以下の通り、「Session and Startup」の画面が表示されます。


  11. ここから、以下の通り「Application Autostart」タブを選択します。


  12. ここで、自動起動するアプリケーションを指定するのですが、今回の目的の「RDesktop」がないので、「+Add」ボタンで表示される、以下の画面でエントリを追加します。

    設定内容は、以下の通り入力してください。
    設定内容
    Name:RDesktop
    Description:RDesktop
    Command:/opt/scripts/autostart.sh /usr/share/applications/RDesktop.desktop

    入力できれば、「OK」ボタンをクリックして、「Application Autostart」タブ画面に戻りますので、先ほど作成した「RDesktop」のチェックを以下の通り入れてください。

    これで、今回使用するRDesktopプログラムが、自動起動するように設定出来ました。


    一旦「Close」ボタンをクリックし、「Session and Startup」の画面を終了してください。


  13. 続いて、RDesktopの起動オプションを設定しますので、デスクトップの部分を右クリックして、以下の通り、メニューから「RPi-TC Config」を選択し、「Edit RDesktop Server」を選択します。


  14. rdesktop.server」ファイルの内容が、以下の通りエディタで表示されます。
    ここで、起動時に自動的に接続したい接続先デスクトップのIPアドレスやホスト名を入力し、先頭の「#」を外し、保存します。


    接続先デスクトップがIPアドレス「192.168.1.200」のリモートデスクトップPCの場合の設定例

  15. RPi-TC2」を起動した際に、自動接続するネットワーク上のデスクトップが、以下のWindowsPCの場合
    設定内容 オプションと引数
    リモートデスクトップPCのIPアドレス192.168.1.200192.168.1.200
    以下の通り、rdesktop.serverのIPアドレスの行を編集します。
    #192.168.2.104

    ↓以下の通り変更し、保存します。
    192.168.1.200

  16. さらにリモートデスクトップで接続する際のオプションを、デスクトップの部分を右クリックして、表示されるメニューから「RPi-TC Config」-「Edit RDesktop config」を指定して定義します。


  17. rdesktop.config」ファイルの内容が、以下の通りエディタで表示されます。
    ここで、設定したいオプションを入力し、先頭の「#」を外し、保存します。


    接続先デスクトップがWindowsPCの場合の設定例

  18. RPi-TC2」を起動した際に、自動接続するネットワーク上のデスクトップが、以下のWindowsPCの場合
    設定内容 オプションと引数
    モニタの解像度1920 x 1080-g 1920x1080
    フルスクリーンモード有効-f
    自動ログインID自動ログインしない-u <なし>
    ログインパスワードなし-p <なし>
    ログイン後の暗号化無効-E
    ネットワークの帯域LAN-x l
    データの圧縮有効-z
    ビットマップキャッシュ有効-P
    音声のリダイレクト有効-r sound:local:alsa:default
    キーボード配列日本語-k ja
    以下の通り、rdesktop.configのオプションの行を編集します。
    #-g 1280x720 -r sound:local:alsa -x l

    ↓以下の通り変更し、保存します。
    -g 1920x1080 -f -E -x l -z -P -r sound:local:alsa:default -k ja
    ※「-E」オプションを付けた場合に接続できない場合は、外して試してください。


    設定終了

  19. rdesktop.server」と「rdesktop.config」を保存できれば、設定は完了です。
    エディタを終了し、以下の通りデスクトップの右クリックメニューから、「Log Out」-「Shut Down」を選択します。



    電源切断

  20. 画面が真っ暗になれば、システムは終了し、Raspberry Pi 2も以下の待機状態になります。

    ここで電源を切ってください。


    以上で設定は完了です。

    次に電源を入れれば、設定したデスクトップに自動接続する、シンクライアントが利用できます