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Boot Rescue ご利用方法


    この利用手順では、起動できなくなったパソコンを「BootRescue」DVDから起動して、 別のWindowsPCからネットワーク経由でファイルを救出する手順を説明します。


目次



1. はじめに


    説明の中で、起動できなくなったパソコンを「要救助PC」、起動できなくなった パソコンからネットワーク経由でファイルを救出するパソコンを「救助PC」と表現 して説明を進めていきます。


    要救助PC救助PC
    起動できなくなったパソコン起動できなくなったパソコンから
    ファイルを救出するパソコン



2. BIOSの設定

    まず、DVDから起動できるよう要救助PCのBIOSの設定を行います。


  • 要救助PCの電源を入れ「Delete」や「F1」等を押してBIOSを起動してください。

    要救助PC
    BIOSを起動してください。
    ※BIOSの起動についてはPCのマニュアルをご確認下さい。マニュアルがない場合はPC電源ON直後に出るメッセージで判断してください。


  • 起動順序の設定項目で、HDDよりDVDが優先するように以下の例のように設定してください

    ※BIOS/UEFIによって画面イメージが違いますので、上図は参考程度にご確認ください。
    ※UEFI環境ではこの他に「セキュアブートの無効化」「従来のBIOSと互換のモード(レガシーモード)の有効化」が必要な場合があります。
    ※UEFI環境で利用される場合は「起動用USB」を作成いただくとスムーズにご利用いただけます。



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3. ネットワーク準備

  • 要救助PCと、救助PC同士をLANクロスケーブルやHUBまたは家庭内のネットワークに有線接続してください。
    また、確実に救済する場合は有線接続がお勧めですが、無線で接続する場合は、WiFiの設定を後ほど紹介しますので、このまま進めてください。


    要救助PC救助PC
    LANクロスケーブル
    やHUBで接続




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4. BootRescueの起動

  • 要救助PCのDVDドライブに「Boot Rescue」のDVDを挿入し電源を入れて起動します。
    要救助PC

    ↑↑↑挿入↑↑↑

    「BootRescue」DVDを挿入し、電源を入れて起動。


  • 起動直後「Boot Rescue」の起動画面が表示されます。
    BootRescue起動画面
    「boot:」メッセージが表示されている状態でそのまま「ENTER」キーを押してください。

    起動処理が始まります。


  • 以下のようにBootRescueの画面が表示されます。
    BootRescue起動画面



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5. 「1.ネットワーク設定」

  • 起動処理完了後、まずは「1.ネットワーク設定」で要救助PCのネットワークの設定を行います。

    ここで、既にネットワーク上にブロードバンドルーターなど、DHCPサービスを提供する機器が存在する場合は、以下の画面の通り自動的にIPアドレスが割当たっていますので、このセクションは読み飛ばしてください。
    BootRescueネットワーク設定済画面

    以下の通り、「IPアドレス」が未設定の場合、「@IP設定」ボタンで、ネットワーク設定を行います。
    BootRescueネットワーク未設定画面

    「@IP設定」ボタンをクリックすると、以下の「ネットワーク接続」画面が表示されます。
    BootRescueネットワーク設定画面1

    ここで、左下の「+」ボタンをクリックすると以下の「接続の種類を選択して下さい」画面が表示されます。
    BootRescueネットワーク設定画面2
    ここで、有線接続の場合は、そのまま「Ethernet」を選択し「作成」ボタンをクリックします。
    すると以下の通り「Ethernet接続 1 の編集」画面が表示されます。
    BootRescueネットワーク設定画面3
    ここで、以下の通り「IPv4設定」タブを選択します。
    BootRescueネットワーク設定画面4
    さらに、「Method」を以下の通り「手動」に変更します。
    BootRescueネットワーク設定画面5
    これで、以下の通り「追加」ボタンをクリックすると、IPアドレスが入力できるようになります。
    BootRescueネットワーク設定画面6
    以下の通りIPアドレスとサブネットマスクを、ネットワークに合わせて入力し「保存」ボタンをクリックすると、IPアドレスが設定できます。
    BootRescueネットワーク設定画面6
    以下の画面に戻りますので、「X」クローズボタンで閉じます。
    BootRescueネットワーク設定画面7
    もとの画面に戻り、以下の通りIPアドレスが割当たっていることを確認してください。
    BootRescueネットワーク設定画面8

    なお、無線の場合は「@IP設定」ボタンで表示される「ネットワーク接続」画面の「+」ボタンで表示される「接続の種類を選択してください」で、以下の通り「Wi-Fi」を選択し「作成」ボタンをクリックします。
    BootRescueネットワーク設定画面9

    「Wi-Fi 接続 1 の編集」画面が以下の通り表示されますので、「Wi-Fi」タブでSSIDや
    BootRescueネットワーク設定画面10

    「Wi-Fiセキュリティ」タグでセキュリティタイプを選択しWEPキーなど、無線に接続するために必要な情報を入力して「保存」ボタンをクリックしてください。
    BootRescueネットワーク設定画面11

    無線の設定を行った場合は、「1. ネットワーク設定」にあるプルダウンメニューから、以下の通り「wlan0」など無線のアダプタを選択すると、無線アダプタに設定されたIPアドレスが表示されます。
    BootRescueネットワーク設定画面12
    BootRescueネットワーク設定画面12

    以上で、有線や無線の「1.ネットワーク設定」は完了です。

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6. 「2.パスワード設定」

  • 次に、要救助PCに接続する際のユーザ「root」のパスワード設定を行います。
    接続する場合のユーザ名「root」のパスワードを決めてください。
    ユーザ名root
    パスワード←決めてください

  • パスワードが決まったら、以下の「2.パスワード設定」で、要救助PCに接続する際のユーザ「root」のパスワード設定を行います。
    BootRescueパスワード設定画面1

  • 上のテキストボックスに、先ほど決めたパスワードを入力します。
    また、上のテキストボックスに入力したパスワードが間違いないか、下のテキストボックスにもパスワードを入力し、「Aパスワード設定」ボタンをクリックします。
    BootRescueパスワード設定画面2

    パスワードが設定できれば、以下の通りメッセージが表示されますので、「OK」ボタンをクリックしてください。
    BootRescueパスワード設定画面3

    以下の通り「パスワード:」が「設定済」になると要救助PCに接続する際のユーザ「root」のパスワード設定は完了です。
    BootRescueパスワード設定画面3

      なお、「Aパスワード設定」ボタンをクリックした際以下のエラーが出る場合は、上下のパスワードが違っていますので、再入力して設定を行ってください。
      BootRescueパスワード設定画面4

    以上で、「2.パスワード設定」は完了です。

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7. 共有の開始

  • 「1.ネットワーク設定」、「2.パスワード設定」が完了すれば以下の「B共有開始」ボタンをクリックします。
    BootRescue共有開始1

  • これにより「4.ディスク情報」に表示されている、要救助PCのハードディスクがネットワークに共有されます。
    以下の通り確認メッセージが表示されますので「Yes」をクリックします。
    BootRescue共有開始2

  • 以下の通り、共有完了のメッセージが表示され、救助PCから接続する接続先の情報が表示されます。
    BootRescue共有開始3

  • 共有完了のメッセージが確認できれば、「OK」ボタンで、以下の画面に戻ります。
    「3.接続先情報」には、救助PCから接続するための情報が表示されますので、こちらを救助PCの「ファイル名を指定して実行」に入力すると、ネットワーク経由でハードディスクに接続できます。
    BootRescue共有開始3

    要救助PC
    共有完了!!


    以上で要救助PCのハードディスクの共有は出来ました。
    次に、共有されたディスクから救助PCを使ってファイルを取得する手順を説明します。



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8. 共有されたディスクに接続する手順

  • 救助PCより、Windowsの「ファイル名を指定して実行」を起動してください。
    救助PC
    「ファイル名を指定して実行」で
    「\\IPアドレス\media」を実行。
    この手順の例では
    「\\192.168.1.6\media」となる。

    要救助PCがWindows10の場合は、「スタート」メニューを「右クリック」して表示されるメニューから、
    以下の通り「ファイル名を指定して実行」を選択します。


  • 「ファイル名を指定して実行」が表示されます。



    「名前」に「\\IPアドレス\media」を入力して「OK」ボタンを押してください。

    この時、指定するIPアドレスは要救助PCで設定したIPアドレスになり、この手順の例では以下のようになります。


  • 次にパスワードの入力を求められる画面が表示されますので、

    「ユーザ名」に「root」、
    「パスワード」に「2.パスワード設定」で設定した「root」のパスワードを入力して「OK」ボタンを押してください。
    ※パスワードの入力画面が表示されず「アクセスが拒否されました」と表示される場合、救助PCでパーソナルファイアウォールが有効になっており、救助の邪魔になっている可能性があります。一時的にその機能を無効にして救助作業を行ってください。


  • しばらくすると以下のように要救助PCの共有フォルダが表示されます。
    この例では、「sda1」「sda2」のフォルダがハードディスクを表わしており、
    「sda」がデバイス名で、後ろの数字がそのハードディスクのパーティションの番号です。

    つまりハードディスクの1番目〜4番目のパーティションが共有フォルダとして見えていることになります。
    それぞれのフォルダの中に、各パーティションのファイルがあります。



共有されたディスクからファイルをコピー

  • あとは要救助PCで共有されているファイルを救助PCからコピーして取得してください。
    要救助PC救助PC






    →→→→→→→
    →→コピー→→
    →→→→→→→

    ↑↑↑↑↑
    「マイ・コンピュータ」のディスクに保存
    ↑↑↑↑↑
    必要なファイルをコピーして保存。


    コピーはファイルやフォルダごとに「エクスプローラ」を使ってマウスでコピーしてもいいですし、各パーティション毎に用意されている以下のバッチファイルを実行し、一気にコピーしてもいいです。


    バッチファイルを実行して一気にコピーする場合は、以下のように警告画面が出る場合がありますので「発信元」が要救助PCで設定したIPアドレスであるか確認して、「実行」ボタンを押してください。

    また、以下のようにファイルの保存先、とログの保存先が聞かれますので救助PCのコピーしたいフォルダを指定して「ENTER」キーを押下してください。
    ここで指定するフォルダはあらかじめ作っておいてください

    「コピー開始!」が表示されコピーが始まります。「コピー終了!」が出たら完了です。
    フォルダごと指定した場所に保存されます。またコピーしたログ(記録)も保存されています。



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9. 終了手順

    目的のファイルを取得でき、システムを終了するには、「x」クローズボタンでBootRescueを終了します。

    BootRescue共有開始3

  • KNOPPIXのデスクトップ画面に戻り、
    KNOPPIX
  • 以下の通り左下のメニューから「ログアウト」を選択し、 KNOPPIX-LOGOUT
  • 「シャットダウン」を選択して、KNOPPIXを終了してください。 KNOPPIX-SHUTDOWN

  • 救助PCは引き続きWindowsをご利用いただいて結構です。



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