Linux活用レシピ > KNOPPIXの活用 > HDDの複製
このページでは、日本語版KNOPPIXを使ってHDDを丸ごと別のHDDに複製するレシピを紹介します。壊れたテレビ録画HDDを別のHDDに複製し、録画データの損害を最小限に抑えた事例です。

KNOPPIXによるHDDの引越

ここではKNOPPIXを使って壊れかけている録画用HDD(以下「引越元HDD」とします)を引っ越し先の新品の録画用HDD(以下「引越先HDD」とします)に複製する実際の手順を紹介します。

  1. まずはDVDやUSBメモリにインストールされたKNOPPIXでパソコンを起動します。


  2. KNOPPIXが起動できれば、デスクトップ左下の以下のターミナルアイコンをクリックしてください。

    すると、以下の通りターミナルが起動します。
    knoppix@Microknoppix:~$
    
    次に、以下のコマンドでパソコンの内蔵ハードディスクのデバイス名を確認します。
    knoppix@Microknoppix:~$ sfdisk -s[ENTER]
    /dev/ram0:      4096
    /dev/ram1:      4096
    /dev/ram2:      4096
    /dev/ram3:      4096
    /dev/ram4:      4096
    /dev/ram5:      4096
    /dev/ram6:      4096
    /dev/ram7:      4096
    /dev/ram8:      4096
    /dev/ram9:      4096
    /dev/ram10:      4096
    /dev/ram11:      4096
    /dev/ram12:      4096
    /dev/ram13:      4096
    /dev/ram14:      4096
    /dev/ram15:      4096
    /dev/cloop0:   9367808
    /dev/cloop1:   2252032
    /dev/cloop2:    148224
    /dev/zram0:   4194304
    /dev/sda: 976762584
    ^^^^^^^^
    合計: 992790488 ブロック
    
    この例では内蔵ハードディスクが(/dev/sda)というデバイス名であることが分かります。
    つまり、日ごろHDDから起動してWindowsを利用されている場合は、(/dev/sda)にOSが入っていますので、以降の手順でこのデバイス名を使用しないよう注意してください。

  3. 次に「引越元HDD」をKNOPPIXのパソコンに接続します。

    接続できれば、以下のコマンドでデバイス名を確認します。
    knoppix@Microknoppix:~$ sfdisk -s[ENTER]
    /dev/ram0:      4096
    /dev/ram1:      4096
    /dev/ram2:      4096
    /dev/ram3:      4096
    /dev/ram4:      4096
    /dev/ram5:      4096
    /dev/ram6:      4096
    /dev/ram7:      4096
    /dev/ram8:      4096
    /dev/ram9:      4096
    /dev/ram10:      4096
    /dev/ram11:      4096
    /dev/ram12:      4096
    /dev/ram13:      4096
    /dev/ram14:      4096
    /dev/ram15:      4096
    /dev/cloop0:   9367808
    /dev/cloop1:   2252032
    /dev/cloop2:    148224
    /dev/zram0:   4194304
    /dev/sda: 976762584
    /dev/sdb: 2930266584
    ^^^^^^^^
    合計: 3923057072 ブロック
    
    この例では/dev/sdbが増えてますので、こちらが「引越元HDD」となります。

  4. 次に「引越元HDD」を接続したまま「引越先HDD」をKNOPPIXのパソコンに接続します。

    接続できれば、さらに以下のコマンドでデバイス名を確認します。
    knoppix@Microknoppix:~$ sfdisk -s[ENTER]
    /dev/ram0:      4096
    /dev/ram1:      4096
    /dev/ram2:      4096
    /dev/ram3:      4096
    /dev/ram4:      4096
    /dev/ram5:      4096
    /dev/ram6:      4096
    /dev/ram7:      4096
    /dev/ram8:      4096
    /dev/ram9:      4096
    /dev/ram10:      4096
    /dev/ram11:      4096
    /dev/ram12:      4096
    /dev/ram13:      4096
    /dev/ram14:      4096
    /dev/ram15:      4096
    /dev/cloop0:   9367808
    /dev/cloop1:   2252032
    /dev/cloop2:    148224
    /dev/zram0:   4194304
    /dev/sda: 976762584
    /dev/sdb: 2930266584
    /dev/sdc: 3907018584
    ^^^^^^^^
    合計: 7830075656 ブロック
    
    この例では/dev/sdcが増えてますので、こちらが「引越先HDD」となります。

    まとめますと、「引越元HDD」と「引越先HDD」のデバイス名は以下の通りとなります。

    「引越元HDD」「デバイス名:/dev/sdb」

    「引越先HDD」「デバイス名:/dev/sdc」


  5. 準備ができましたので、ここから複製を始めます。
    複製のコマンドは、以下となります。
    sudo dd if=/dev/sdb of=/dev/sdc bs=512 conv=noerror,sync status=progress
               ^^^^^^^^    ^^^^^^^^
               引越元HDD   引越先HDD
    
    ここで注意!です、万一逆に複製してしまうと録画HDDを新品のHDDのデータで上書きしてしまいますので、くれぐれもデバイス名を間違えないようにしてください。

    なお、コマンドについて「bs=512」としているのは、1ブロック単位で時間はかかりますがじっくり読み書きできるようにしております。これはddの特性上、複数のブロックをまとめて処理すると、万一読み込みエラーになった場合にエラーの出たブロックを含め以降のまとめて処理したブロックが正常でもすべてゼロ埋めされてしまうからで、1ブロックずつ確実に処理をさせたいので、このオプションを入れています。

    また、「status=progress」を入れることで、ddは処理の進捗を常に画面に表示してくれるようになります。 結果、以下の通り進捗を表示しながら引越しが始まります。

    実際に複製している様子が以下の動画です。複製元HDDは壊れかけのため読み込みエラーを出しながらですが、それでも正常なところは処理を止めず読み出して引越先HDDに書き込んでおりますので、不良セクタ以外に保管された録画データーは複製され救済されていきます。




    以下の通りコンソールが戻ってくれば複製が完了です。

    2930266584+1 レコード入力
    2930266584+1 レコード出力
    1500296491008 bytes (2.8TB, 2.7TB) copied, 500 s, 1.7 MB/s
    knoppix@Microknoppix:~$
    


  6. 複製が終われば、引越先HDDを以下の通りレグザにつなぎ、これまで通りの録画番組を再生したり、予約録画ができるようになっていることを確認してください。


    以上でテレビ録画用HDDの複製は完了です。

    なお、このレシピのddコマンドでの引越しではなく、UUIDをコピーして引越しする方法がありますが、古いレグザの場合その方法が使えないことがありますので、その場合はこのレシピを参考にしてみてください。