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Boot Rescue ご利用方法


はじめに

    この利用手順では、起動できなくなったパソコンを「BootRescue」CDから起動して、 別のWindowsPCからネットワーク経由でファイルを救出する手順を説明します。


    説明の中で、起動できなくなったパソコンを「要救助PC」、起動できなくなった パソコンからネットワーク経由でファイルを救出するパソコンを「救助PC」と表現 して説明を進めていきます。


    要救助PC救助PC
    起動できなくなったパソコン起動できなくなったパソコンから
    ファイルを救出するパソコン



BIOSの設定

    まず、CDから起動できるよう要救助PCのBIOSの設定を行います。


  • 要救助PCの電源を入れ「Delete」や「F1」等を押してBIOSを起動してください。

    要救助PC
    BIOSを起動してください。
    ※BIOSの起動についてはPCのマニュアルをご確認下さい。マニュアルがない場合はPC電源ON直後に出るメッセージで判断してください。


  • 起動順序の設定項目で、HDDよりCD-ROMが優先するように以下の例のように設定してください

    ※BIOSによって画面イメージが違いますので、上図は参考程度にご確認ください。



ネットワーク準備

  • 要救助PCと、救助PC同士をLANクロスケーブルやHUBで接続してください。


    要救助PC救助PC
    LANクロスケーブル
    やHUBで接続


  • 接続する場合のユーザ名は「root」になりますのでそのパスワードを決めてください。
    ユーザ名root
    パスワード←決めてください
    ※BootRescueのバージョンが1.13以前の場合はユーザ名は「knoppix」となります。


  • 救助PCのWindowsのバージョンが「Windows95,98,98SE,Me」といった古いバージョンの場合は、「コントロールパネル」-「ネットワーク」で 「Microsoftネットワーククライアント」を導入し、Windowsから一旦ログオフして、ユーザ名「root」と、上で決めたパスワードを用いてWindowsにログオンし直しておいてください。
    救助PC
    古いバージョンのWindowsの場合、ユーザ名「root」でログオンしておく。
    ※BootRescueのバージョンが1.13以前の場合は「knoppix」でログオンしておいてください。



ハードディスクの共有

  • 要救助PCのCDドライブに「Boot Rescue」のCDを挿入し電源を入れて起動します。
    要救助PC

    ↑↑↑挿入↑↑↑

    「BootRescue」CDを挿入し、電源を入れて起動。


  • 起動直後「Boot Rescue」の起動画面が表示されます。
    「boot:」メッセージが表示されている状態でそのまま「ENTER」キーを押してください。

    起動処理が始まります。

      ※Ver1.12より、この起動画面で「knoppix 2 [ENTER]」を入力すると、以降の処理で全ての設定を自動で行う「自動共有」がご利用頂けます。
      ※Ver1.12より、この起動画面で「knoppix 5 [ENTER]」を入力すると、共有を行わずknoppix3.8.2が起動します。


  • 以下のような画面サイズの問い合わせが出る場合がありますので、その場合はそのまま「SPACE」キーを押し、進んでください。
    You passed an undefined mode number
    


  • 搭載メモリが少ない場合は、スワップと呼ばれる仮想メモリ領域をハードディスクから取ろうとしますが、その場合はハードディスクを指定せず、処理を続行させてください。


  • 起動処理完了後、以下の画面が表示されIPアドレスを設定するよう指示が出ます。
     1. IPアドレスを設定して下さい。 [ ENTER ]
    
    ※ここで「Sorry! Can't find Frame buffer device.」 と表示された場合は、フレームバッファデバイスのドライバが合っていませんので、 日本語が表示できません。その場合は表示のみ英語になってしまいますが、ディスクの共有は可能です。 以降の画面の表示を日本語に読替えて作業を進めてください。

    画面の指示通り「ENTER」キーを押してください。


  • IPアドレスの設定画面が表示されます。

    まず、ネットワークカードが複数搭載されている場合はどのネットワークカードに IPアドレスを設定するか以下の画面が出ますので「↓」「↑」キーで選んで、[ENTER]キーを押します。
    ※1枚しかネットワークカードがない場合(普通は1枚^^;)この画面は表示されません。


    次に、以下のDHCPを使うかどうかのメッセージ画面は「TAB」キーで「いいえ」を選択し、[ENTER]キーを押します。
    ※ネットワーク上にDHCPサーバが存在する場合は ここは「はい」を選択してIPアドレスの自動割当サービスを受けてください。
    この場合、以降の説明はIPアドレス確認メッセージまで読み飛ばしてください。

  • 次にIPアドレスを入力します。ネットワーク環境にあわせて入力し、[ENTER]キーを押します。
    以下の例では「192.168.0.100」を指定しています。

  • 次にサブネットマスクの入力を行って[ENTER]キーを押します。
    以下の例では「255.255.255.0」をそのまま指定しています。

  • 次にブロードキャストアドレスの指定は通常そのままで[ENTER]キーを押します。

  • 次にデフォルトゲートウェイアドレスの指定はルータがネットワーク上にある場合は入力し、それ以外はそのまま[ENTER]キーを押します。

  • 次にネームサーバの指定はDNSサーバがネットワーク上にある場合は入力し、それ以外はそのまま[ENTER]キーを押します。

    以上でIPアドレスの設定は完了です。

    次に設定したIPアドレスの確認画面が以下のように表示されますので、[y]キーを入力して[ENTER]キーを入力して下さい。
     IPアドレスは ( 192.168.0.100/24 : eth0 ) でよろしいですか ? [ y/n ] >
    
    ※IPアドレスの後ろの「/」から後はサブネットマスクとネットワークカードのデバイス名です。
    ※ここで[n]キーを入力して[ENTER]キーを入力すると、もう一度IPアドレスの設定に戻ります。


  • 続いてディスクの確認と接続が自動的に行われ、以下のようなメッセージが表示されます。

     2. ディスクを確認中です。
    Disk /dev/hda: 19457 cylinders, 255 heads, 63 sectors/track
    Units = cylinders of 8225280 bytes, blocks of 1024 bytes, counting from 0
    
       Device Boot Start     End   #cyls    #blocks   Id  System
    /dev/hda1   *      0+     12      13-    104391   83  Linux
    /dev/hda2         13     534     522    4192965   83  Linux
    /dev/hda3        535     567      33     265072+  82  Linux swap
    /dev/hda4        568   19456   18889  151725892+   f  W95 Ext'd (LBA)
    /dev/hda5        568+  19456   18889- 151725861   83  Linux
    
     3. パーティションをマウントしています。
       hda1 を読み込み専用でマウントします。
       hda2 を読み込み専用でマウントします。
       hda5 を読み込み専用でマウントします。
    
    ※ここで 「"エラー : 共有対象のディスクは見つかりませんでした!"」 と表示された場合は、ハードウェアが対応していないためディスクが認識していないか、ディスクが物理的に壊れているため、接続できない可能性があります。


  • 続いて要救助PCに接続する際のユーザ「root」のパスワードを設定する画面が以下のように表示されます。

     4. 共有対象に接続するユーザ ( root ) のパスワードを設定してください。
    New SMB password:
    「ネットワークの準備」で決めた「root」のパスワードを入力して[ENTER]キーを押してください。
    なお、入力したパスワードは「*」マークで表示されませんのでご注意ください。
    ※BootRescueのバージョンが1.13以前の場合はユーザ名は「knoppix」となります。

    もう一度以下のように入力を求めてきますので、同じようにパスワードを入力して[ENTER]キーを押してください。
    Retype new SMB password:


  • この後、要救助PCのハードディスクの共有処理が自動的に実施されます。
    ネットワークの共有ができれば以下のメッセージが表示されます。
    
    
    
    
     共有準備が出来ました。Windowsから「\\192.168.0.100\mnt\」に
     ユーザID「root」で接続してください。
    
    
     Boot Rescue のご利用ありがとうございます。
    
                                                  Linux活用レシピ
                                                  http://linux-memo.sakura.ne.jp/
    
    
    
     Windowsからの救済が終わりましたら [ ENTER ] を押してください。
     シャットダウンを行います。
    ※BootRescueのバージョンが1.13以前の場合はユーザID「knoppix」で接続するよう表示されます。


    要救助PC
    共有完了!!


    以上で要救助PCのハードディスクの共有は出来ました。
    次に、共有されたディスクから救助PCを使ってファイルを取得する手順を説明します。



共有されたディスクに接続する手順

  • 救助PCより、Windowsの「スタート」メニュー「ファイル名を指定して実行」を起動してください。
    救助PC
    「ファイル名を指定して実行」で
    「\\IPアドレス\mnt」を実行。
    この手順の例では
    「\\192.168.0.100\mnt」となる。

    「名前」に「\\IPアドレス\mnt」を入力して「OK」ボタンを押してください。

    この時、指定するIPアドレスは要救助PCで設定したIPアドレスになり、この手順の例では以下のようになります。


  • 次にパスワードの入力を求められる画面が表示されますので、

    「ユーザ名」に「root」、
    「パスワード」に「ネットワークの準備」で決めた「root」のパスワードを入力して「OK」ボタンを押してください。
    ※BootRescueのバージョンが1.13以前の場合は「ユーザ名」に「knoppix」を入力してください。
    ※パスワードの入力画面が表示されず「アクセスが拒否されました」と表示される場合、救助PCでパーソナルファイアウォールが有効になっており、救助の邪魔になっている可能性があります。一時的にその機能を無効にして救助作業を行ってください。


  • しばらくすると以下のように要救助PCの共有フォルダが表示されます。
    この例では、「hda1」「hda3」のフォルダがハードディスクを表わしており、
    「hda」がデバイス名で、後ろの数字がそのハードディスクのパーティションの番号です。

    つまりIDEのハードディスクの1番目、3番目のパーティションが共有フォルダとして見えていることになります。
    それぞれのフォルダの中に、各パーティションのファイルがあります。

    ハードディスクの種類とデバイス名については、このページの最後に記載しておりますのでご確認ください。



共有されたディスクからファイルをコピー

  • あとは要救助PCで共有されているファイルを救助PCからコピーして取得してください。
    要救助PC救助PC






    →→→→→→→
    →→コピー→→
    →→→→→→→

    ↑↑↑↑↑
    「マイ・コンピュータ」のディスクに保存
    ↑↑↑↑↑
    必要なファイルをコピーして保存。


    コピーはファイルやフォルダごとに「エクスプローラ」を使ってマウスでコピーしてもいいですし、各パーティション毎に用意されている以下のバッチファイルを実行し、一気にコピーしてもいいです。


    バッチファイルを実行して一気にコピーする場合は、以下のように警告画面が出る場合がありますので「発信元」が要救助PCで設定したIPアドレスであるか確認して、「実行」ボタンを押してください。

    また、以下のようにファイルの保存先、とログの保存先が聞かれますので救助PCのコピーしたいフォルダを指定して「ENTER」キーを押下してください。

    「コピー開始!」が表示されコピーが始まります。「コピー終了!」が出たら完了です。
    フォルダごと指定した場所に保存されます。またコピーしたログ(記録)も保存されています。



終了手順

    目的のファイルを取得できたら、以下の手順で要救助PCの共有を終了してください。

  • 要救助PCの画面には以下のようにメッセージが表示されています。
    終了する場合はこの画面で[ENTER]キーを押してください。
    
    
    
    
     共有準備が出来ました。Windowsから「\\192.168.0.100\mnt\」に
     ユーザID「root」で接続してください。
    
    
     Boot Rescue のご利用ありがとうございます。
    
                                                  Linux活用レシピ
                                                  http://linux-memo.sakura.ne.jp/
    
    
    
     Windowsからの救済が終わりましたら [ ENTER ] を押してください。
     シャットダウンを行います。

  • シャットダウン確認のメッセージが以下のように表示されますので、[y]キーを押してから[ENTER]キーを押してください。
    シャットダウンしてもよろしいですか ? [ y/n ] > y

  • もう一度聞かれますので、[y]キーを押してから[ENTER]キーを押してください。
  • Shotdown NOW ? [ y/n ]y

  • 以上で要救助PCのシャットダウン処理が始まります。最後に以下のメッセージが出たら[ENTER]キーを押して、要救助PCの電源を切ってください。
    Please remove CD, close cdrom drive and hit return.

  • 救助PCは引き続きWindowsをご利用いただいて結構です。



ハードディスクの種類とデバイス名

    標準のハードディスクとデバイス名の関係はそれぞれ以下のようになります。
    IDEディスク
    1番目 hda
    2番目 hdb
    3番目 hdc
    4番目 hdd
    SCSI/USB/S-ATA/SASディスク
    1番目 sda
    2番目 sdb
    3番目 sdc
    4番目 sdd
    ?番目 sd?


    それぞれのデバイス名の後ろに数字をつけることで、そのハードディスク中のパーティション番号を表します。


    例)
    1番目のIDEハードディスクの1番目のパーティション:hda1
    3番目のSCSIハードディスクの2番目のパーティション:sdc2


    また、以下は特殊なハードディスクコントローラとデバイス名になります、knoppixではそのままでは認識しませんが、BootRescueでは認識するよう改良しております。
    HP Smartアレイコントローラ
    コントローラ0 ディスク0 c0d0
    コントローラ0 ディスク1 c0d1
    コントローラ1 ディスク0 c1d0
    コントローラ1 ディスク1 c1d1


    それぞれのデバイス名の後ろにp+数字をつけることで、そのハードディスク中のパーティション番号を表します。


    例)
    1番目のコントローラの1番目のディスクの1番目のパーティション:c0d0p1
    2番目のコントローラの2番目のディスクの2番目のパーティション:c1d1p2