Linux活用レシピ > KNOPPIXの活用 > KNOPPIX8.2の日本語化
このページでは、本家よりKNOPPIXをダウンロードして、カスタマイズ(リマスタ)を行い、LibreOffice日本語版を含んだ、KNOPPIX日本語DVD版を作成するレシピを紹介します。


USB-KNOPPIXの作り方と利用イメージ


概要

    日本語版KNOPPIXを、USBフラッシュメモリにインストールすることで、より高速にKNOPPIXが利用できるUSB-KNOPPIXが作成できます。

    また、「オーバーレイ」という技術でDVDではできない設定の保存等ができ、次回起動時も変更した内容が保持されます。

    さらに、UEFIに準拠したコンピュータでも、USB-KNOPPIXでそのまま利用できますので、非常に便利です。

    これまでの手順で、USBフラッシュメモリ作成に使用する「flash-knoppix」も日本語化しておりますので、ここではそのイメージでインストール手順を紹介します。

インストール

  1. KNOPPIXをDVDから起動します。



  2. 以下のインストーラがデスクトップに表示されていますので、これをダブルクリックします。



  3. 日本語化された「flash-knoppix」が起動します。


  4. ここで、「リムーバブルデバイス・・・」を選択してください。
    なお、選択はメニューをマウスでクリックするか、キーボードの上下の矢印でできますので、選択ののち[ENTER]キーを押すか、「OK」ボタンをクリックすることで、選んだメニューが実行されます。

  5. 接続されているUSBフラッシュメモリやリムーバブルデバイスが一覧表示されます。


  6. ここで、インストールしたいメディアを選択して実行してください。
    なお、キーボードの「ESC」キーを押すことで、ひとつ前のメニューに戻れます。

  7. 以下の通りインストールメニューが表示されます。


  8. このレシピでは、オーバーレイ領域をFAT32の1つのパーティション丸ごと使って作成する内容にしますので、以下のメニューを選択します。

    なお、選択したメディアにすでにKNOPPIXがインストールされている場合は、上記インストールメニューは表示されず、以下の通り表示されますので、状況に応じてメニューを選択して実行してください。


  9. 以下の通り確認メッセージが表示されますので、問題なければ「Yes」をクリックしてください。


  10. 再度メッセージが表示されますので、もう一度確認し問題なければ「Yes」をクリックしてください。

  11. 以下の通りオーバーレイパーティションのサイズを指定する画面が表示されます。このレシピでは最大サイズを指定し実行します。



  12. 以下の通りパーティション設定とKNOPPIXのインストールが開始されます。



  13. 次にオーバーレイパーティションの暗号化を行うかどうか確認されます。特にUSB-KNOPPUを会社で使う場合など、万一の情報漏洩の防止には暗号化を選択して、パスワード設定を行ってください。
    このレシピでは暗号化なしで進めますので、「No」を選択します。



  14. 以下の通り完了のメッセージが表示されれば、USB-KNOPPIXは完成ですので、「OK」ボタンをクリックして「flash-knoppix」を終了してください。




利用イメージ

  1. USB-KNOPPIXを使うには、まずパソコンをUSBフラッシュドライブから起動するよう、BIOSの設定を行います。

  2. BIOSの起動は、機種にもよりますがパソコンの電源を入れて「F2」キーや「F12」キーを連打すると、起動できます。

    設定するポイントは、Boot Sequence(起動順)で、Internal HDD(内蔵HDD)よりUSB storage Device(USBフラッシュメモリ等)が起動優先度が上位になるよう、設定し保存してください。

    また、機種によってはUSBレガシー機能を有効にしないと起動できないものもありますので、試してください。

    電源を入れると以下のような起動画面が出ます。

    左がBIOSのパソコンの場合、右がUEFIのパソコンの場合です。自動判別して表示を変えます。
    (DVD版ではこの機能はありませんのでUSB-KNOPPIXオリジナルです。)

  3. 無事起動ができれば、DVDより高速に下図のようなデスクトップまで起動します。日本語化されたKNOPPIXからUSB-KNOPPIXを作成していますので、当然メニューやアプリケーションが日本語化されていることが確認出来ます。


  4. 以下は「GParted」を起動した画面です。


  5. 次に、「LibreOffice」の「Writer」などを起動し、以下の通り日本語入力できるか確認してください。
    日本語入力は、Windowsと同じく、キーボードの「半角/全角」キーを押すことで、入力できるようになります。
    また、この時キーボードが英語キーボード配列ではなく、日本語キーボード配列になっていることも確認してください。





  6. 最後に利用が終わればシャットダウンしてください。次回起動時はDVDと違って、変更した内容や保存したデータはオーバレイ領域に保管されますので、次回起動時もそれらの情報が保持されています。


LibreOfficeのバージョンアップ

    KNOPPIX8.2でUSB-KNOPPIXを作成すると、LibreOfficeが「バス エラー」で起動できません。
    DVD起動した場合は問題なく利用できるのですが、USB-KNOPPIXにした場合に発生します。
    これまでのバージョンでは、出なかった現象ですので、おそらくKNOPPIX8.2に同梱されているLibreOfficeのバグと考えられます。

    そこで、USB-KNOPPIXを作成した後、ここで紹介する手順でUSB-KNOPPIXのKNOPPIX8.2JP内にあるLibreOfficeのバージョンアップを行い、問題を解消させます。

  1. USB-KNOPPIXからKNOPPIX8.2JPを起動し、ターミナルで作業を行います。
    以下のターミナルアイコンをクリックしてください。

    以下の通りターミナルが起動します。
    knoppix@Microknoppix:~$
    

  2. 次に、以下のコマンドで「root」ユーザに変更します。
    knoppix@Microknoppix;~$ su - [ENTER]
    root@Microknoppix;~#
    

  3. 以下のコマンドで、最新のパッケージリストを取得します。
    root@Microknoppix;~# apt-get update [ENTER]
    

  4. そして、以下のコマンドで、最新のLibreOfficeに更新します。
    root@Microknoppix;~# apt install -t testing libreoffice-l10n-ja [ENTER]
    

  5. 途中メッセージが表示されますが、すべて「Yes」または、「OK」ボタンで処理を進めてください。
    プロンプトが以下の通り返ってくれば、処理は完了です。
    root@Microknoppix;~#