Linux活用レシピ > knoppixの活用 > HDDデータ救出


ハードディスクからのデータ救出手順

1. KNOPPIXを起動

    PCにKNOPPIXのCDを入れて、CDでBOOTします。

    「boot:」と表示されたら[enter]キーを押してください。

    KNOPPIXが起動できたら、画面左下のターミナルアイコンをクリックしてください。

    起動したターミナルで作業をします。

    続いて「root」ユーザに変更しますので、以下のコマンドを入力して[ENTER]を入力して下さい。
    knoppix@Microknoppix:~$ su -
    「su」と「-」はスペースで区切って入力してください。

    以下の表示になったら「root」ユーザに変更できています。
    root@Microknoppix:~#


2. ネットワークの設定

    ブロードバンドルータなどでDHCPサーバがある場合は、IPアドレスは自動的にセットされています。

    自動セットされているかどうかは、以下のコマンドで確認できます。

    root@Microknoppix:~# ifconfig
    結果に「inetアドレス:192.168.0.100」などと表示されれば、自動セットされています。

    なお、「inetアドレス:127.0.0.1」はローカルループバックアドレスという、特殊なアドレスです。
    結果にこのアドレスしかない場合は、自動セットされていませんので、以下の手順で、IPアドレスをセットしてください。

  • IPアドレス設定
  • # ifconfig $デバイス名 $IPアドレス netmask $ネットマスク up
    例)IPアドレス:192.168.0.100、サブネットマスク255.255.255.0を設定する場合。
    # ifconfig eth0 192.168.0.100 netmask 255.255.255.0 up

  • DNSサーバ設定
  • # echo "nameserver $ネームサーバのIPアドレス" > /etc/resolv.conf
    
    例)IPアドレス:192.168.0.1をDNSサーバとして設定する場合。
    # echo "nameserver 192.168.0.1" > /etc/resolv.conf

  • デフォルトゲートウェイ設定
  • # route add default gw $デフォルトゲートウェイのIPアドレス
    
    例)IPアドレス:192.168.0.1をデフォルトゲートウェイとして設定する場合。
    # route add default gw 192.168.0.1

    なお、ネットワーク上にProxyサーバがある場合は、以下の通り設定をして下さい。

  • Proxyサーバ設定
  • # export http_proxy=http://proxyサーバ名:ポート番号/
    # ftp_proxy=http://proxyサーバ名:ポート番号/
    
    例)IPアドレス:192.168.0.253、ポート番号:8080をProxyサーバとして設定する場合。
    # export http_proxy=http://192.168.0.253:8080/
    # export ftp_proxy=http://192.168.0.253:8080/

    以上でネットワークの設定は完了です。


3. SAMBAインストール

    続いてSAMBAをインストールします。これでハードディスクをネットワーク共有する準備ができます。

  • 以下のコマンドでパッケージリストを更新します。
    # apt-get update

  • 以下のコマンドでSAMBAをインストールします。
    # apt-get install samba
    ここで結果に以下のようなエラーが出る場合があります。
    日本語の場合
    以下のパッケージには満たせない依存関係があります:
    samba : 依存: samba-common (= 2:3.5.6~dfsg-3squeeze7) しかし、2:3.6.4-1 はインストールされようとしています
    依存: libwbclient0 (= 2:3.5.6~dfsg-3squeeze7) しかし、2:3.6.4-1 はインストールされようとしています
    英語の場合
    The following packages have unmet dependencies:
    samba : Depends: samba-common (= 2:3.5.6~dfsg-3squeeze7) but 2:3.5.11~dfsg-1 is to be installed
    Depends: libwbclient0 (= 2:3.5.6~dfsg-3squeeze7) but 2:3.6.4-1 is to be installed

    このエラーが出た場合は、以下の通りバージョンを指定してインストールしてください。

    # apt-get install samba=2:3.5.6~dfsg-3squeeze7 \
    samba-common=2:3.5.6~dfsg-3squeeze7 \
    libwbclient0=2:3.5.6~dfsg-3squeeze7
    

      ちなみにインストールできるsambaバージョン情報は以下で確認できます。
      # sudo apt-cache showpkg samba
      

4. SAMBA設定

    続いてSAMBAを設定します。これでハードディスクをネットワーク共有できます。

  • 以下のコマンドで既に動作しているSAMBAを停止します。
    # /etc/init.d/samba stop

  • samba設定ファイル修正します。
    # mv /etc/samba/smb.conf /etc/samba/smb.conf.org
    # vi /etc/samba/smb.conf
    -----ここから------------------------------------
    [global]
    wide links = yes
    follow symlinks = yes
    unix extensions = no
    panic action = /usr/share/samba/panic-action %d
    printing = cups
    printcap name = cups
    load printers = yes
    guest account = nobody
    #invalid users = root
    security = user
    workgroup = WORKGROUP
    server string = linux-memo
    netbios name = linux-memo
    syslog only = no
    syslog = 0;
    socket options = IPTOS_LOWDELAY TCP_NODELAY SO_SNDBUF=4096 SO_RCVBUF=4096
    encrypt passwords = true
    smb passwd file = /etc/samba/smbpasswd
    passdb backend = smbpasswd
    wins support = no
    include = /etc/samba/dhcp.conf
    name resolve order = lmhosts host wins bcast
    dns proxy = no
    preserve case = yes
    short preserve case = yes
    unix password sync = false
    passwd program = /usr/bin/passwd %u
    passwd chat = *Enter\snew\sUNIX\spassword:* ←ここと
    %n\n *Retype\snew\sUNIX\spassword:* %n\n .  ←ここは1行で
    max log size = 1000
    obey pam restrictions = yes
    unix charset = UTF8
    display charset = cp932
    dos charset = cp932
    [homes]
    comment = Home Directories
    browseable = yes
    read only = yes
    create mask = 0700
    directory mask = 0700
    [mnt]
    path = /mnt
    writeable = no
    browseable = yes
    -----------------------------------ここまで------
    

  • 以下のコマンドでsambaのrootユーザのパスワードを設定します。
    # smbpasswd -c /etc/samba/smb.conf -a root
    
    以下の通り、設定するパスワードが求められますので、2回同じパスワードを入力して、入力したパスワードは忘れないようにしてください。
    New SMB password:       ←ここに設定するパスワードを入力。入力したパスは
    Retype new SMB password:←「**」でエコーバックされないが、気にせず入力。
    startsmbfilepwent_internal: file /etc/samba/smbpasswd did not exist.
     File successfully created.
    Added user root.
    
    以上でsambaの設定は、完了です。

5. ハードディスクのマウント

    続いて救出したいデータの入った、ハードディスクをマウントします。

  • 以下のコマンドでまず、パーティションのデバイス名を確認します。
    # sfdisk -l
    結果以下のように表示されますが、この例の場合赤文字の部分がCドライブにあたりますので、ここがターゲットになります。
    ディスク /dev/sda: シリンダ数 238216、ヘッド数 16、63 セクタ/トラック
    Warning: The partition table looks like it was made
      for C/H/S=*/255/63 (instead of 238216/16/63).
    For this listing I'll assume that geometry.
    ユニット = 8225280 バイトのシリンダ、1024 バイトのブロック、0 から数えます
    
       Device Boot Start     End   #cyls    #blocks   Id  System
    /dev/sda1   *      0+  14446   14446  116037495    6  FAT32
    /dev/sda2          0       -       0          0    0  空
    /dev/sda3          0       -       0          0    0  空
    /dev/sda4          0       -       0          0    0  空
    

  • 次にマウントポイントを/mntディレクトリに作成します。この時、上記で確認したパーティション名を使います。上記の例では、以下の通りとなります。
    # mkdir /mnt/sda1
    
    以上で、ハードディスクのマウントは完了です。

6. SAMBAの起動

    SAMBAを以下のコマンドで起動します。
    # /etc/init.d/samba start
    以上で、ネットワーク上にハードディスクがWindows共有されます。

7. Windowsから接続

  • ネットワーク上のWindowsパソコンより、「スタート」メニュー「ファイル名を指定して実行」等を起動し、接続するコマンドを入力する準備を行ってください。

    「名前」に「\\IPアドレス\mnt」を入力して「OK」ボタンを押してください。

    この時、指定するIPアドレスは上記で設定したIPアドレスになり、この手順の例では「192.168.0.100」でしたので、以下のようになります。


  • 次にパスワードの入力を求められる画面が表示されますので、

    「ユーザ名」に「root」、
    「パスワード」に先ほど設定した「root」のパスワードを入力して「OK」ボタンを押してください。


  • しばらくするとパソコンの共有フォルダが表示されます。上記手順で接続したハードディスクのパーティション名のディレクトリが表示されていますので、ダブルクリックして中身を確認し、必要なものを取り出してください。
以上で救出作業は終了です。お疲れ様でした。